免許を取ったまま運転していない30代女性へ|保育園送迎前に確認したい駐車のコツ



免許を取ってから10年以上、ほとんど運転していない。子どもの保育園送迎や買い物で車を使えるようになりたいけれど、狭い住宅街の道や駐車が不安で、なかなか一歩を踏み出せない。
このようなお悩みは、ペーパードライバー講習でもよくお聞きします。
特に30代の女性の方からは、「今までは運転は家族任せだったけど、そろそろ自分も運転できるようになりたい」「日常の運転で駐車が不安」という声が少なくありません。
今回は、ペーパードライバーの方がつまずきやすい「駐車」について、できるだけわかりやすくお伝えします。
実際の運転でどこを見るのか、どの順番で考えるのかを中心にまとめました。
駐車が不安になるのは、日常のちょっとした場面です

ペーパードライバーの方が駐車に不安を感じるのは、特別に難しい場所だけではありません。毎日の生活の中にある、ちょっとした場面で緊張してしまうことが多いです。
たとえば、保育園の送迎で駐車場に入るとき。後ろにほかの車が待っていると、「早く停めないと」と焦ってしまうことがあります。朝の時間帯は特に気持ちが急ぎやすく、落ち着いて確認する余裕がなくなりやすい場面です。
スーパーの駐車場では、隣に車が停まっているだけで、「ぶつけたらどうしよう」「まっすぐ入れられるかな」と不安になりやすいものです。買い物カートを押している人や、車の間を歩く人もいるため、見る場所が多くなります。
自宅の駐車場やマンションの駐車スペースでも、道幅が狭かったり、柱や壁が近かったりすると、何度も切り返しが必要になることがあります。「家の駐車場なのにうまく入れられない」と落ち込む方もいますが、狭い場所ほど難しく感じるのは自然なことです。
また、家族が隣に乗っていると、安心する一方で、かえって緊張してしまう方もいます。
このような不安は、決して珍しいものではありません。大切なのは、「自分は駐車ができない」と決めつけることではなく、どの場面で不安になりやすいのかを知ることです。不安な場面がわかれば、そこに合わせて練習することができます。
まず知っておきたい、ペーパードライバーが駐車を苦手に感じやすい理由

駐車が苦手だと、「自分は運転に向いていないのかも」と感じてしまう方がいます。しかし、最初からきれいに駐車できないのは珍しいことではありません。
駐車は、前進、停止、後退、ハンドル操作、ミラー確認、周囲の安全確認を同時に行う必要があります。運転経験が少ない方にとっては、ほかの場面よりも考えることが多く、焦りやすい操作です。
だからこそ大切なのは、いきなり完璧に入れようとしないことです。まずは「なぜ難しく感じるのか」を分析し、順番に練習していくことで、駐車への不安は少しずつ小さくできます。
理由1:どこに車を入れたいのか、見失ってしまう
駐車が苦手な方は、ハンドル操作そのものに意識が向きすぎて、「最終的に車をどこへ収めたいのか」を見失いやすくなります。
バック駐車では、駐車スペースの入口だけを見るのではなく、車の後ろが最終的に収まる位置を注視し続けることが大切です。タイヤ止めがある駐車場ならタイヤ止め、ない場合は奥の壁や白線の奥側を目安にします。
たとえばBのスペースに停めたいなら、Bの奥側を意識しながら車を動かします。もちろん周囲の車や歩行者への確認も必要ですが、「どこへ入れるのか」を見続けるだけでも、駐車の迷いは減っていきます。
理由2:教習所で習った方法が、そのまま使えるとは限らない
教習所で習う方向変換や縦列駐車は、検定で確認しやすいように、目印や手順が整理されています。決して無駄な練習ではありませんが、実際のスーパーや自宅の駐車場とは条件が異なります。
実際の駐車場では、白線の幅、通路の広さ、隣の車の位置、柱や壁、坂道など、毎回条件が変わります。そのため、「教習所でできなかったから、自分は駐車できない」と決めつける必要はありません。
大切なのは、検定用の手順を丸暗記することではなく、車の動き方と見え方を少しずつ覚えることです。
駐車は一回で入れなくても大丈夫です

駐車が苦手な方の中には、「一回でまっすぐ入れなければいけない」と思っている方が多くいらっしゃいます。
しかし、実際の運転では、駐車は一回で入れられなくても大丈夫です。少し角度がずれたと思ったら、いったん前に出て、車の向きを整えてからもう一度バックすれば問題ありません。
大切なのは、無理にそのまま入れようとしないことです。「このままだと隣の車に近いかもしれない」「白線からはみ出しそう」と感じたら、早めに止まりましょう。
止まる、目視で確認する、必要ならやり直す。この判断ができることも、安全な駐車に必要な運転技量です。
特にペーパードライバーの方は、後ろの車を待たせているように感じたり、周りの視線が気になったりして焦ってしまうことがあります。しかし、焦って無理に下がるよりも、落ち着いて切り返す方がずっと安全です。
駐車は、きれいに一回で入れることよりも、ぶつけずに安全に停めることが一番大切です。最初のうちは、切り返しをしながらで構いません。少しずつ車の動き方に慣れていきましょう。
ペーパードライバーが覚えたいバック駐車の基本手順

ここからは、駐車が苦手な方でも取り組みやすいように、バック駐車の流れを順番に見ていきます。実際の駐車場では周囲の状況によって調整が必要ですが、基本の考え方として参考にしてください。
駐車が苦手な方は「見る場所」を先に決めておきましょう
駐車で迷いやすい方ほど、「ハンドルをどちらに回すか」に意識が向きやすくなります。もちろんハンドル操作も大切ですが、その前に、どこを見ながら車を動かすかを決めておくことが大切です。
まず意識したいのは、車を入れたい場所の全体像です。駐車スペースの入口だけを見るのではなく、車の後ろが最終的に収まる場所を考えます。
次に見るのは、左右のサイドミラーです。バックしている間は、左右の白線や隣の車とのすき間を交互に確認します。片方だけを見続けると、反対側が近づきすぎていることに気づきにくくなります。
そして忘れてはいけないのが、車のまわりの安全確認です。駐車スペースだけでなく、歩行者、自転車、ほかの車の動きも確認します。特にスーパーや保育園の駐車場では、人の動きが一定ではないため、バックする前と動いている途中の確認が大切です。
駐車は、「入れたい場所の全体を見る」「左右のすき間を見る」「周囲を見る」という順番で考えると、慌てにくくなります。見る場所が決まってくると、ハンドル操作も落ち着いて判断しやすくなります。
手順1:停めたいスペースの奥を見る
まずは、駐車したいスペースを決めます。このとき、入口の白線だけでなく、スペースの奥まで目を向けましょう。タイヤ止めがある場合はタイヤ止め、ない場合は奥の壁や白線の奥側を目安にします。
「車の後ろを、最終的にどこへ持っていくのか」を決めるイメージです。ここが曖昧なまま動き出すと、途中でハンドル操作に迷いやすくなります。
手順2:駐車スペースとは反対方向へ少しふくらむ
次に、停めたいスペースとは反対方向へハンドルを切りながら、ゆっくり前進します。これは、バックで入るための角度を作る動きです。
このとき、慌てて大きく動かす必要はありません。クリープ現象を使いながら、ゆっくり進みます。サイドミラーで、停めたいスペースの奥や白線がどのように見えているかを見ておきましょう。
駐車が苦手な方は、ここで前だけを見てしまいがちです。しかし、駐車では「前に進んでいる時から、後ろに下がる準備をしている」と考えるとわかりやすくなります。
手順3:後退しながら左右の余裕を見る
バックに入れたら、左右のサイドミラーを見ながら、車体が白線の中に収まっているかを見ていきます。どちらか片方だけを見るのではなく、左右を交互に見ます。
左右のすき間が均等に近づくように、ハンドルを少しずつ調整します。車体が白線に対して大きく斜めになった場合は、無理に下がり続けず、いったん前へ出て角度を整えます。
駐車で大切なのは、早く入れることではありません。安全に止まりながら、落ち着いて車の位置を合わせることです。
バック駐車でハンドルがわからなくなった時の考え方

ペーパードライバー講習でも、「バックすると、ハンドルをどちらに回せばよいかわからなくなる」というご相談はとても多いです。
この場合は、難しく考えすぎず、サイドミラーに映るすき間を見るようにします。左右の白線や隣の車とのすき間を見て、広いほうへ車の後ろを寄せるイメージです。
片方の白線しか見えていないときは、見えている側に余裕があることが多いため、その方向へ少しハンドルを切って調整します。左右の白線が見えているときは、ハンドルを大きく回しすぎず、半回転から一回転以内を目安に微調整します。
慣れてくると、ハンドルを大きく回さなくても、少しの修正で車が入るようになります。ハンドルを回さない時間が増えてきたら、駐車の感覚が少しずつ身についてきているサインです。
最初から難しい駐車場で練習しなくてよい

駐車が苦手な方ほど、「どんな場所でも入れられるようにならないと」と考えてしまいがちです。しかし、最初から狭い駐車場や混雑した駐車場で練習する必要はありません。
まずは、車が少ない広めの駐車場で、白線の中にゆっくり入れる練習から始めるのがおすすめです。慣れてきたら、片側に車がある場所、両側に車がある場所、自宅の駐車場、よく行くスーパーの駐車場というように、段階を踏んでいきましょう。
子どもの送迎や買い物で車を使いたい方にとって、本当に必要なのは「普段使う場所で落ち着いて駐車できること」です。すべての駐車場を一度に克服しようとせず、生活で使う場所から練習していくと、自信につながりやすくなります。
家族に教えてもらうときは、焦らず練習できる環境を選びましょう

ペーパードライバーの方の中には、まずは家族に教えてもらおうと考える方もいらっしゃいます。身近な人に見てもらえるのは心強い一方で、家族だからこそ緊張してしまうこともあります。
運転に慣れている方は、普段の感覚で「ここでハンドルを切って」「もう少し右」「そのまま下がって」と説明することがあります。しかし、久しぶりに運転する方にとっては、その一つひとつを落ち着いて判断するのが難しい場合があります。
また、「なんでできないの?」「簡単やん」といった言葉が出てしまうと、教わる側はさらに焦ってしまいます。焦ると安全確認が抜けたり、アクセルやブレーキの操作が急になったりすることもあるため注意が必要です。
家族に教えてもらう場合は、最初から狭い駐車場や混雑したスーパーで練習するのではなく、広くて空いている駐車場など、落ち着いて止まる、確認する、やり直すことができる場所を選びましょう。
教える側にも、「急かさない」「一度にたくさん指示を出さない」「できたところを伝える」という意識があると、練習しやすくなります。
もし家族との練習でかえって緊張してしまう場合は、無理をせず、教官と一緒に練習する方法を選ぶのも一つです。第三者の立場で落ち着いて確認してもらえるため、自分の苦手な部分を整理しながら練習しやすくなります。
保育園やスーパーの駐車場では、歩行者と子どもの動きに注意しましょう

ペーパードライバー講習を受ける方の中には、「子どもの保育園送迎で車を使いたい」「買い物に自分で行けるようになりたい」という方が多くいらっしゃいます。そのような日常の運転で避けて通れないのが、保育園やスーパーの駐車場です。
保育園の駐車場では、送迎の時間帯に車の出入りが重なりやすくなります。小さなお子さんが車の陰から出てくることもあるため、駐車スペースを探すときも、バックするときも、すぐに止まれる速度で動くことが大切です。
特に朝の送迎時間は、「早く停めないと」「後ろの車に迷惑をかけたくない」と焦りやすい場面です。しかし、駐車場内ではスピードを出さず、周囲を確認しながらゆっくり動くことが安全につながります。
スーパーの駐車場では、買い物カートを押している人、自転車で来ている人、車の間を歩く人など、さまざまな動きがあります。道路と違って、人や車の動きが一定ではないため、「出てくるかもしれない」と考えながら運転することが大切です。
駐車に不安があるうちは、建物の入口に近い場所へ無理に停めようとしなくても大丈夫です。少し歩く距離が増えても、左右に余裕がある場所や、出入りしやすい場所を選ぶ方が落ち着いて駐車できます。
慣れるまでは、「近い場所」よりも「停めやすい場所」を選ぶ。これも、ペーパードライバーの方に覚えておいてほしい駐車のコツです。
駐車場では「かもしれない」と考えて動くことが大切です

保育園やスーパーの駐車場では、車を枠の中に入れることだけに意識が向きやすくなります。しかし実際には、駐車場では車の操作だけでなく、周囲の動きにも注意が必要です。
駐車場はスピードが出にくい場所なので、道路より安全に感じるかもしれません。ところが、人や車の動きが一定ではないため、思っている以上に注意する場面が多くあります。
駐車場では、歩行者や自転車、ほかの車が思わぬタイミングで動くことがあります。道路のように流れが一定ではないため、「見えている範囲だけで大丈夫」と考えないことが大切です。
そのため、駐車場では「誰かが車の陰から出てくるかもしれない」「隣の車が動き出すかもしれない」「後ろを人が通るかもしれない」と考えながら、ゆっくり動くことが大切です。
このように、起こりそうな危険を前もって考えながら運転することを、防衛運転といいます。駐車が苦手なうちは、車を入れる操作に集中しがちですが、安全に駐車するためには、周囲の動きを予測することも同じくらい大切です。

出典:マンスリーリポート2022年8月号 特集「駐車場での事故防止」(損保ジャパン)
駐車場で事故を防ぐために、動く前の確認を習慣にしましょう
バック駐車を始める前には、すぐにギアをRに入れるのではなく、一度止まって周囲を見ましょう。後ろ、左右、歩行者、自転車、隣の車の動きを見てから、ゆっくり動き出します。
バックモニターやセンサーが付いている車でも、機械だけに頼りきらないことが大切です。画面に映りにくい場所や、急に近づいてくる人もいるため、目視で見る習慣をつけておきましょう。
また、立体駐車場や屋内駐車場のように薄暗い場所では、ヘッドライトを点けることで周囲から車の存在に気づいてもらいやすくなります。
駐車スペースから出る時には、ウインカーを出して「これから動きます」と周囲に知らせることも大切です。小さな合図ですが、事故を防ぐための大事な行動です。
自宅やスーパーの駐車が不安なら、出張ペーパードライバー講習も選択肢に

駐車は、文章や動画を見るだけでは感覚をつかみにくい操作です。特に、自宅の駐車場が狭い、前の道路が細い、坂になっている、右側への縦列駐車が必要など、条件が難しい場合は、一人で練習するほど不安が大きくなることもあります。
そのような時は、出張ペーパードライバー教習で、実際に使う道や駐車場を一緒に練習する方法があります。保育園までの道、よく行くスーパー、自宅周辺の住宅街など、日常で必要な場面に合わせて練習できるのが出張講習の良いところです。
教官と一緒に練習することで、今の不安を整理しながら、自宅の駐車場やよく使うスーパーなど、実際の生活に近い場所で段階的に練習できます。
まとめ:駐車は「才能」ではなく、順番を覚えて慣れていくもの
駐車が苦手でも、それだけで運転に向いていないわけではありません。ペーパードライバーの方に必要なのは、焦らず確認すること、車の動きを知ること、そして生活で使う場所に合わせて練習することです。
まずは、停めたいスペースの奥を見る。反対方向へ少しふくらんで角度を作る。バックしながら左右のすき間を確認する。車体が大きく斜めになったら、いったん前へ出て角度を整える。この流れを覚えるだけでも、駐車への不安は軽くなります。
保育園の送迎や買い物で車を使えるようになると、毎日の移動の選択肢が広がります。最初は不安があって当然です。無理に一人で頑張りすぎず、必要な時はペーパードライバー講習を活用しながら、安全に運転できる感覚を少しずつ取り戻していきましょう。
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